で帰宅。土曜日に当直が入ると週末がまるまる潰れて嫌な感じ。
某所で話題になっていたので読んでみた。一部で社会問題となっている 理系ポスドクの話ではなく、文系ポスドクの就職難を扱った本。
一読して思ったのは、筆者たちの考え方が甘いなぁということ。この本の 筆者は私とほぼ同年代 (私のほうが 2 つ下) だが、私が大学に入った頃には
というのは大学の学部に所属する学生の一般常識だった。
この本では就職できない文系ポスドクたちを文部省や東大法学部の既得権維持の ための犠牲者として描き、「就職先がないことを知らずに入った」と書いている。 当時から常識であったことを知らなかったとしたら、その人にも大きな問題がある (そういう道を進めた指導教官にも責任はあるが) と思う。
確かに大学にはいろいろと問題があって、ほとんど研究せず論文も書かずに permanent の地位に安住している教官が一部 (特に文系や教養課程に) にいるのは この本でも指摘されている通りではある。
この本の筆者は自分自身も「フリーター生産工場」の犠牲者として扱っている *1のだが、
一九六七年福岡県生まれ。某関西地区私大 *2中退後、バイク便ライダーとなる。仕事で各地を転々 [中略]。九七年、 某地方私大工学部建築学科卒業。二〇〇四年、某地方国立大学大学院博士課程修了。 人間環境学博士。
それだけ寄り道をして 37 歳で博士になった人がとれる仕事がそうそうあるものか、 というのが私の周囲での率直な感想。ストレートで大学から大学院に進んだ優秀な 研究者でさえポスドクで不安定な生活をしている、というのが問題だというのに。